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   テーマ 159 部下から“何も相談されない”、
          “頼りにされていない”と感じる時の対策

■上司は近づきがたい存在

管理職者の方から、

「部下から何も相談されない、聴かれない、
 こちらから声を掛けないと部下の方から声を掛けてくれない、
 自分は上司として信頼されていない、
 頼りにされていないのでないか」

とのご相談を受けることがあります。

上司というだけで、また上司の役職が高ければ
高いほど部下は近づきがたいものです。

また、基本的に部下の方から、上司に声をかける、
気軽に相談するということは、まずありません。

部下が上司に相談してくるのは、
一般的にはよほど困った時くらいです。

このようなことが、上司と部下の関係の現実と思います。
この現実の中で、

「部下から信頼を得るにはどうしたらよいのか」、
「部下を育成するにはどうしたらよいのか」

ということで学習が必要となります。

■部下から信頼される条件

実務的には、部下の方から信頼される上司の条件として、
下記の2項目が上げられます。

(1)成果を上げられる人、仕事のできる人
(2)自分の感情、行動をコントロールできる人
  (部下の感情を理解できる人)

「仕事に対する取組み姿勢」と「人に対する取組み姿勢」
 の2つの側面から部下の人達は、上司を見ているといえます。

(1)成果を上げられる人、仕事のできる人

成果を上げられる人、仕事のできる人というのは、
言い換えますと、上司として

「自ら目標を設定し、結果をつくることができる人」
ということがいえます。

業績面では、
「新しい現実(新たな顧客、新たな売上・利益等)を生み出せる人」
ということです。

部下との関係では、
「部下育成のために行うべきことを行う、伝えるべきことを伝える、
 取るべきコミュニケーションをとる」
ということになります。

(2)自分の感情、行動をコントロールできる人
   (部下の感情を理解できる人)

傲慢な人、偉ぶる人、部下の話を聞かない人、
感情が不安定で機嫌の良し悪しを部下にぶつける人などは
部下からは信頼されません。

部下の感情を理解しているとも思ってもらえません。

このような人は、部下や周りからの相談を
持ちかけられる量も減り、情報も少なくなり、
自分の成長や仕事の限界をつくる一つの要因にもなります。

■信頼を失う言動をしない

上記の(1)、(2)以外にも上司として次に示すような
信頼を失う言動をしないことも重要です。

・部下に必要な情報を与えない。
・上司としての優位性を確保するために
 オープンにしてもよい情報をコントロールする。
・自分の手柄のために部下を利用する。
・周りの人間に部下の悪口を言う。
・日頃、部下に高い評価をしていると伝えながら
 実際の人事考課では低い評価をする。
・部下の足を引っ張る、意地悪をする。
・人事権などの権限を振りかざす。
・部下と必要以上に過激にコミュニケーションをとる。

上記のような言動は、大勢いる部下の一人に対して
行っても他の部下の人たちはそれを見て、

いつ自分もそういう目に合うか分からないと
警戒心を持ち信頼は得られません。

■部下の育成は振り返りながら焦らず進める

部下の方は、成長に役立つ仕事やアドバイスを
もらったという体験、実感の積み重ねにより
上司への信頼を深めていきます。

部下の方との会話の繰り返しの中で、
部下の意志、本音も分かってきます。
また、部下の方との真剣な会話の中で、
部下の言葉に、人間味や真意を感じるという感覚も得られます。

部下の方の育成は、焦らずに、6ヶ月ごとに

「部下との関係がどう変化したか」、
「行うべきことを行ったか」、
「伝えるべきことを伝えたか」、
「行ってはいけないことを行わなかったか」

このようなことを振り返りながら進めていくことが重要です。

この積み重ねにより部下の方からの信頼を得られ、
そして得られた信頼を深めることができます。